今日はウィロープールの由来である"ブルーウィロー"についてお話したいと思っています。
さて"ブルーウィロー"とは何でしょう…みたことがある人は以外に多いかもしれません。
それは18世紀の後半からイギリスで製作されたある特定のモチーフを持った絵皿のことをイギリスでは"ブルーウィロー"と呼んでいます。
18世紀の後半、中国からイギリスに陶磁器がもたらされます。その中にイギリスのみならず欧米で広く親しまれている絵柄の元になるものがありました。それは柳や小舟、松や島といったシノワズリーな絵柄でした。そのモチーフが時代の中で複写、生産、発展するうちに少しずつ英国調を帯び現在の"ブルーウィロー"として定着していったと思われます。
ではどのように変化していったのでしょうか。そこにはその絵皿にある物語を息吹として吹き込む必要がありました。
ではその物語をお話します。遠い昔、中国にチャンとクンセという将来を誓い合った二人がいました。しかし身分の違いでそれは叶うことができない恋でした。時を重ね遂にクンセは婚約をします。そして結婚の当日、チャンは宴の中クンセを連れて逃げだします。そしてなんとか無事に逃げおおせた二人は仲良く暮らしました。とハッピーエンドで終わりたいのですが続きがあります。婚約者を奪われた貴族はくる日もくる日も二人を探し続け遂に居場所を見つけ出し軍隊を差し向けます。
勇敢に抵抗する二人でしたがチャンが倒れてもはやこれまでとクンセは家に火をつけその炎の中に消えていきました。そして二人は不死の小鳥となり愛の象徴として永遠に大空を舞い続けました。これがその物語のあらすじです。
その後、絵柄には人の姿や小鳥などがつけ加えられ現在の「ブルーウィロー」の絵柄ができあがります。そして驚くのはこの悲劇物語はイギリスに古くから言い伝えられてきた歌をもとにして創られたと言うことです。二羽の鳩が空高く舞い中国の舟は流れてよどまず柳は泣いているように枝を落とし橋には四人ではなく二人の男たち中国の寺院が建ちすべてを支配してみえる。実をつけたリンゴの木、わたしの歌を終わらせる愛の囲い。という事でこの絵皿の柳のある庭が"ウィロープールガーデン"という事になるのです。
余談ですが"ブルーウィロー"は現在も生産されており幅広く生活に定着しています。
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