近頃の都心部は次々と都市開発が繰り広げられ、寂れていた場所が急におしゃれなスポットに変身します。そして、それらの開発は、もちろん屋外環境も重要視されるため、外でも寛げるスペースが必ずきちんと作られます。先日、最近再開発されたショッピング複合施設に足を運び、その場所の様変わりに大変感心していました。今まで、ただひたすら登るだけだった坂道は、両側をおしゃれな店舗に取り囲まれ、おまけに歩道に沿って、植栽地のある広々とした休憩する場所までできています。テイクアウトのアイスカフェラテ片手にちょっと休憩という感じでしょうか。しかし、よくよく見てみると、その場所には誰も座っていないのです。そう、この時期、外で座るには暑過ぎるのです。確かに樹木は植えられていますが、木陰をつくるにはまだ5年以上はかかりそう。では1年の内、どれだけここが活用されるかと考えると、なんとも言えなくなってきます。樹木の成長過程は、その場所の歴史になるため、無理に大木を植える必要はありません。しかし、樹木が木陰を作れるようになるまで、パラソルやテントなど、ちょっと気の利くアイテムをもっと活用することもできるのではと考えてしまいます。
私たちは家を建てる時、部屋を探す時、当たり前のように日当たりの良い南側を優先して考えます。しかし、日当たりの良い南側の部屋は、夏の間、常に冷房が必要になり、結果益々、温暖化へ貢献してしまい、悪循環が繰り返されます。温暖化の激しい近年は、この日当たりの良い南側に、いかに日陰を作るかが重要になっています。これは、庭においても同じことです。夏は暑いからと庭から遠ざかる人も少なくないのではないでしょうか。せっかく作った庭も1年の内の4分の1近くも活用しないのは大変もったいなく思います。また、これから益々温暖化を辿ることを考えると、暑い時期の庭の活用法を再考する必要があると思います。夏に日陰を作り、冬に陽を入れる落葉樹。パーゴラ、ガゼボ、壁などの構造物。そして、パラソルやテントのような可動式のアイテムなど、様々な方法で、庭に日陰を作ることができます。特に、これから庭を作るみなさんは、日陰ができる場所がきちんと確保できているか是非チェックしてみて下さい。広いスペースが欲しいからと、平面的な、陽がさんさんと降り注ぐ庭になってはいませんか?陽の光も、陰の部分があるから引き立ってくるのです。固定観念で日当たりを求めるのではなく、使い勝手を踏まえた上で、上手に日向と日陰を使い分けたいところです。
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